似顔絵を笑顔で描くコツ4選

「もっと笑顔の似顔絵にしたい、コツを教えてほしい」というご要望を頂きましたので、笑顔で描くコツを似顔絵的に解説していきます。

今回はこちらの出川哲朗さんを描いてくれた生徒Tさんからのご質問でした。

無表情ではないですし、よく似ていて出川さんらしさも十分に感じられます。

こちらをさらに「笑顔」に気をつけて添削してこうなりました▼

修正前のBeforeよりもAfterの方が笑顔になったように見えますでしょうか?

それでは「笑顔で似せるコツ4選」とどのように修正していったのかも含めてご紹介します。

笑顔で似せるコツ4選

1.【口角と目元を連動させよう】

目だけ笑っていても気持ち悪いですし、口だけ笑っていてもサイコパスみたいな笑顔になります。そこで自然な笑顔を描くには目と口の動きの両方を表現するようにしましょう。

目の動きとは画像の赤い選の部分で、目の周りにある筋肉「眼輪筋(がんりんきん)」の表現が大事です。

この眼輪筋によって目の下のラインが大きく変化しますが、この筋肉は意図して単体で動かしにくい筋肉ですので、自然な笑顔を表現する時にとても重要なポイントになります。

この下まぶたの筋肉で瞳がどのように隠れるかを観察するのが、似せるコツにもなります。

この眼輪筋で瞳がどのように隠れるかは人によって違います。(『似顔絵って難しいよね』p.98。『にがおえ添削教室』p.182)

あとは口元の動きですが、口角・上唇・下唇など笑顔の時に力が掛かる度合いや組み合わせにも特徴は現れます。(『似顔絵って難しいよね』p.93〜98。『にがおえ添削教室』p.179〜p.181)

そして口の表現の仕方、描き方の例が『似顔絵って難しいよね』p.70〜78『にがおえ添削教室』p.171〜173、p184〜185だと思って頂けると分かりやすいかと思います。シンプルに口角を上げたり、楕円やハートで捉えたり、色んな描き方を試してみて下さい。

2.【真顔と笑顔の差を表現しよう】

笑顔になると変化するのは目と口だけではありません。

眉毛が変化するのはよくご存知だと思いますが、その変化も釣る・垂れる・上がる・離れるなど様々です。

そして鼻も骨で固定されている真ん中の部分はほぼ変化しませんが、両サイドの小鼻は頬の筋肉に引っ張られて意外と変化します。

さらに輪郭に変化が現れる人、顎の尖り方に変化が現れる人もいますので、意識して観察してみると面白いですよ。自分の顔を鏡で見て試してみるのも良いでしょう。

ちなみに私(マジェリン)の笑顔のビフォーアフターはこんな感じになります▼

鼻と輪郭までこんなに変化するんだ!と我ながら改めて思いますが、写真で見るよりも変化した箇所を大げさに描く事で、1枚の静止した絵の中にも笑ったような時間の経過を表現する事が出来ます。

例えば今回の出川さんの似顔絵で言うと、眉毛の位置を写真で確認する位置よりも上にズラして、眉毛が上がる動きをデフォルメしています。

このように動いた方向にパーツを動かしたり・伸ばしたり・大きくしたり、笑顔を描きたい時は変化をよく観察し、大げさに表現してみて下さい。

3.【頬壁をとらえよう】

大きく笑うと口角に真っ黒な部分が現れると思いますが、これは歯と口角の隙間から奥にある頬の壁が見えているという考えで「頬壁(きょうへき)」と呼ぶそうです。「きょうへき」と変換しても漢字が出てこないほどマニアックな部位ですが(笑)

この頬壁が見えるほどの笑顔は、表情豊か・美人・本心から楽しんでいるなどポジティブな印象を与えるそうです。

人によっては歯がギッシリ詰まっていたり、口角を十分に引っ張り上げる筋肉がなく、頬壁が見えない事もありますが、もしも頬壁を発見したら迷わず描いてあげて下さい。喜ばれる似顔絵になりやすいです。

4.【目元の笑いジワ】

目尻に現れる蟹の足のような、鳥の足跡のような3本線が現れる笑顔は「本当に笑っているよ」という事になるそうです。

笑顔で描いても目元がなかなか似ない時など、目とセットで観察されると良いと思います。

ですが似顔絵の場合はこの3本の線を同じ黒のペンでピッピッピッとなぞってしまうと、実年齢よりも凄く老けた印象になる事がありますので、その場合は一番細い線で描く、茶色など薄い色の線で描くなど工夫してみて下さい。

もしもこの線を描かなくてもすでに似顔絵が似ているなら、描かなくてもOKだと思います。芸能人を似せたいのか、目の前のお客さんに喜ばれたいのか、似顔絵の目的に応じて描き分けてみて下さい。

今回の出川さんの修正ポイント

以上を踏まえて今回のTさんが描いてくれた出川さんの修正ポイントはこうなりました▼

(1)眉毛が上がってやや釣り上がる動きを表現するために、通常の位置よりもやや上にズラしています。

(2)眼輪筋で瞳の下が隠れる感じをもっと丁寧に修正

(3)口はやや大きく拡大し、さらに口角の黒い部分「頬壁」の形を笑っているように修正。歯の描き方も口の奥行きが感じられるように修正。歯の見え方一つでも口の動き変わったように見えますね。

あとは笑顔と関係なく似せる事に関しては

(4)目全体を横長にしてやや釣るように傾けました。さらに二重と涙袋も目元が腫れぼったく見えるように修正

(5)鼻を大きくして

(6)耳を寝かせました

(7)最後に左右差や、蝶ネクタイの立体感、スーツのデフォルメなど、細かく整えております。

以上【笑顔で似せるコツ4選】いかがだったでしょうか。

1.口角と目元を連動させよう

2.真顔と笑顔の差を表現しよう

3.頬壁をとらえよう

4.目元の笑いジワ

です!是非試してみて下さい。

似顔絵教室ニテンナスクールの教科書

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